HiTTO プロダクトチームブログ

「HiTTO(ヒット)」は、シゴトのナレッジを体系化し、新しいコミュニケーションを創り出す社内向けAIチャットボットです。

🦄 HiTTOのPdM(プロダクトマネージャー)が大事にしている3つのこと

こんにちは!PdMの木村です🙋‍♂️ Co-CEOを兼任しています。実質CPOも兼任しています。兼任しすぎですね。 まあ、スタートアップのこのフェーズだとよくある話です。CXO兼任しているという表現は若干違和感があるかもしれませんが、この記事はPdMについてなのでこう書きました。

HiTTOでは『INSPIRED』をプロダクト開発の教科書にしています。 なので、このブログの中でもこの本に何回か触れます。

では、タイトル通り、HiTTOのPdMが大事にしている3つのことを書いていこうと思います。思想面についてをテーマにして、具体的な取り組みなどは別記事にて書こうかと思うので、いささか抽象的なきらいはありますが、ご容赦ください🙇‍♂️

PdMが大事にしている3つのこと

1. 🥷 黒子たれ!

PdMは、エンジニアリングとデザインの力を最大化して、お客さまにより速くより大きな価値を届け続けるための黒子です。

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PdMの役割の脳内イメージ

フラット

PdMは、随所で「決める」という役割を多く持っていたり、(特にスタートアップだと)経営陣や創業メンバーが担うことが多い印象です。 それが故に、暗黙的にエンジニアやデザイナーと上下関係があるかのような状態に陥りがちです。 それを良しとしてしまうと、いずれトップダウン型の限界を迎えるのは自明です。そう、結局のところ人ひとりの頭で考えられることなんてたかがしれているのです。HRTでいうところの「謙虚」さを忘れてはいけません。

PdMは、あくまでエンジニアとデザイナーとフラットな関係で「い続ける」ための意識を持ち続け、努力をし続けなければなりません。日々のアクションだけでなく、コミュニケーションにおいてもです。 とはいえ、個ではなくチームでの進行は、時にはスピードや質とトレードオフになる可能性があることも忘れてはなりません。足元のものごとを進めることと、将来への投資と、今と未来のバランスを常に取りながらお客さまに価値を届けるため不断の努力が必要なのです。

環境作り

日々フラットでいるだけでは、「黒子」の前提しか満たせていません。エンジニアとデザイナーが、その技術力や問題解決能力をお客さまやユーザーへの価値・課題解決に資することができるように環境を良くし続ける必要があります。それはしかるべき情報が必要十分に届くように整理・構造化することかもしれません。場をセッティングしチームとチームを繋げることかもしれません。兼任している役割によっては、採用に向き合い、チームに新しい力や風を届けることも必要でしょう。その時の会社やチームの状況に応じて自分の具体的なアクションや立ち居振る舞いを更新していく柔軟さが求められるように感じます。

すべては、価値あるプロダクトを作るための手段です。そのためのPdMのあり方は「黒子」役であり続けることだと忘れないようにしたいと考えています。

2. 🔥 ハードさを楽しもう!

本当にハードな役割です。物量的なハードさだけでなく、その影響範囲の大きさと責任の重要さが計り知れないこともハードです。個人として求められる要求水準もハードです。 ハードシングスが大好きな人には向いているオシゴトかもしれません。

ものすごく「ハードであること」それ自体を伝えたいとうより、プロダクト開発というそもそもハードな領域において重要な役割を担う上で、ちゃんとハードさを自覚して日々邁進することが大事かなと思っています。とはいえ、ハードだ大変だ!ということのみにフォーカスすると長続きしないので、お客さまやユーザーに価値を届けるための必要な手段だと思って、楽しむ気持ちも大切だと思っています😆

自分で自分の役割がハードだと吹聴するのも若干気が引ける😅ので、『INSPIRED』からの引用をまじえてみます。

物量

プロダクトマネージャーは、通常、文字どおりフルタイムの仕事である。私の知るかぎり、自分がすべき仕事を週60時間未満でこなしているプロダクトマネージャーはほとんどいない。(中略)自分が膨大な量の仕事を引き受けてしまったことに、すぐに気づくだろう。それでも、意欲を持って取り組めるなら、素晴らしい結果が得られるはずだ。(『INSPIRED』p.16より引用)

私は比較的単純(よく言えば素直)なパーソナリティなので、額面通りこれぐらいの物量で当たり前だと思って日々過ごしています。兼任しているので、アドオンで計算するともっとだな〜と。それでも現状はまだまだ時間を割ききれないと感じていて、個人としてのタイムマネジメントの未熟さを感じていたりします💦 それでもチームのみんながフォローしてくれているおかげでなんとか日々前に進めているかなという所感です。感謝!🙇‍♂️

個人として求められる要求水準

必要な知識として「顧客に関する深い知識」「データに関する深い知識」「自分のビジネスについての深い知識」「市場と業界についての深い知識」があげられていますが、それと併せて「頭がよく、創造的で、粘り強いこと」も必要条件として挙げられています。

成功するプロダクトマネージャーは、飛び抜けて頭がよく、創造的で、粘り強い人間である。(『INSPIRED』p.62より引用)

字面だけみるとなかなかな要求に見えますねw 私はもちろん、プロダクトを成功させたいので、PdMとしても成功したいし、その責務があると思っています。

ここで言う頭がいいは、とりわけ、知的好奇心にあふれ、新しい技術をすぐに習得し、それを使って顧客の問題を解決したり、新しい顧客の心をつかんだり、新しいビジネスモデルを作ったりすることができるといいう意味である。

創造的というのは、ビジネスの問題を解決するために通常の職能の枠にとらわれずに考えられることを意味する。

粘り強いというのは、説得力のある根拠をもって常にコミュニケーションを取り、頑強な反対に直面しても組織の間の橋渡しをし、企業を動かしてコンフォートゾーンから押し出す力があることである。

(『INSPIRED』p.63より引用)

大変具体的なので、特段補足はしませんが、これらを「飛び抜けて」兼ね備えなければならない!現状の私は、甘く見て60点に満たないぐらいの程度かなと思います(なんとなくのイメージです。ちょっと甘すぎかも)。「頭のよさ」をもっと磨く必要があるかなとこのブログを書いていて自分と向き合いながら感じております。頑張るぞ💪

影響範囲の大きさと責任の重要さ

どれだけ重要な責任かは、同書で「イノベーションが失われる理由」「スピードが失われる理由」として、「強力なプロダクトマネージャーの不在」をひとつの要素として挙げていることから推して図るべし感があります。イノベーションもスピードもどちらも最上段に重要な要素です。その成否に大きく影響しているわけです。

眠れない日々を過ごすには十分な職責ではありますが、誰よりも、どの役割よりも、学び、成長し、変化を厭わずチャレンジしていくことが必要な役割だと理解し、コツコツ積み上げていこうと考えています。 とんでもなくハードさを押し出してはいますが、個人的にはこのハードさが最高のプロダクト開発に繋がると信じているので、実に楽しいわけでございます🚀

3. 🏡 文化を大事に!

最高のプロダクト作りのためには、結局は、プロダクト開発の文化がすべてだと考えています。 個人的には『INSPIRED』は、具体的な方法論に言及しつつも、本質としては文化についての本だと理解しています。また、この本を教科書にした決め手は、本の最後に読者に選択の余地を提示しているが故でした。その内容は以下です。

文化として「イノベーション」と「実行力」の二側面で整理がされつつ、

現実には、持続的なイノベーションと実行力のどちらにも非常に強い企業が存在する。(中略)並外れて実行力が強い企業のほとんどは、極めて厳しい職場である。

イノベーションと実行力の両方に優れている企業はほんのわずかしかない。多くの企業は実行力に優れているがイノベーションには弱い。イノベーションには強いが実行力はまあまあという企業はそれよりも数が少ない。そして、うんざりするほどの数の企業が、イノベーションも実行力も乏しいのだ。(『INSPIRED』p.355より引用)

そして最後にこう結ばれます。

私があなたやあなたの開発チームにしてほしいのは、イノベーションと実行力の両面から自分自身を見直し、あなたが、チームや企業として、どの位置に行きたいのか、その位置に行く必要があると考えているのかを自分に問いかけることである。(『INSPIRED』p.355より引用)

つまり、「めちゃめちゃハードだから、やるかどうかはあなたに委ねる」という問いかけで終わっているわけです。最初に読んだとき、この問いかけは私にはとても刺さりました。

HiTTOは、世の中のありとあらゆる人に価値を届けるような "must-have" なプロダクトになることを目指しています。生半可なやり方で到達できるような領域ではないところを目指しているわけです。

なのだから、慣れたやり方に甘んじず、果てしなく難易度が高かろうが、よりお客さんやユーザーに価値を届けられると信じる方法を選択し、覚悟を持って挑戦していこうじゃないかと。イノベーションも実行力も並外れたチームや企業になることを目指すのです🦄

世の中にとって "must-have" と言えるようなプロダクトを生み出している諸先輩方に少しでも追いつくためには、HOWの選択で劣後しているわけにはいかないのです。 最強のHOWで武装して、その上にHiTTOとして自分たちだけのオリジナリティを発揮していきたいと考えています。

参考までに、同書のイノベーション・実行力の構成要素についての図解を載せておきます。つまるところは、文化の具体的な構成要素です。(各要素についての記事をいつか書くかも!)

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『INSPIRED』におけるイノベーションと実行力の構成要素

文化というものは、一朝一夕で習得できるものではないのは百も承知です。日々のコミュニケーションで意識する、プロセスに反映していく、チームで向き合う、などなど様々な取り組みや習慣の集積で出来上がっていくものです。肝に銘じようといつも思うのは、なんとなく出来上がったものを文化として良しとするのではなく、目的のために最善と信じる文化を意図的に作っていくことなのだということです。

イノベーションと実行力のどちらも強く兼ね備えた文化を目指していきます!

終わりに

はてさて、冒頭にも書きましたが、案の定だいぶ思想ドリブンな内容になりました。「思想とは?」なんだと考えてみると、それは「目指すところに向かう道のりにて何を大事にするのか」という過程に想いを馳せた観点なんだと思います。

とはいえ、何よりも大事なのは、それすら手段だということです。社会に、お客さまに、ユーザーに、HiTTOとしての最高の価値を届け続けることが最上段の目的です。SaaSという観点からは、「概念としてのカスタマーサクセス(お客さまの成功)」に資するプロダクトを作ることです。手段を目的化せず、短期と中長期のバランスを取り、チームとして成長や変化を重ねながら、日々前に進んでいきたい!そう思う今日この頃です。

「大事にしている」という表題ですが、「大事にしようとしている」という、まだまだこれからの側面ももちろんあります。というわけで、こんなことを大事にしていきながら、最高のプロダクトを一緒に作っていく仲間を募集中です!(宣伝🌟)

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